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2020年06月14日

ロスバウト ハイドン交響曲選集より第45番"告別"他

こんにちは
ともやんです。

今日は、論理的に無駄を排した指揮を名を馳せた名指揮者ハンス・ロスバウト(1895-1962)のハイドンを聴きました。

ハイドンの交響曲19曲の他にチェロ、ピアノ、トランペット、フルートなどの協奏曲も収録されているCD7枚組で、聴きごたえ充分です。

その中から、交響曲をいくつか聴きました。中でも唯一のステレオ録音である、交響曲第45番"告別"に特別の愛着を感じました。

ハンス・ロスバウトについて


ハンス・ロスバウトは、1895年オーストリアのグラーツに生まれています。
そう言えば、名指揮者カール・ベームも前年に同じグラーツに生まれています。
広い意味で二人のスタイルが似ている感じがするのは、何か共通するものがあるのでしょうか?


1929年にフランクフルト放送響指揮者、1945年にミュンヘンフィル首席として、戦災で荒廃したオーケストラの復興に尽力。
54年に北ドイツ放送響とシェーンベルク『モーゼとアロン』初演。
48年からは南西ドイツ放送響の首席指揮者に就任し、オーケストラの育成と共に、同時代の作品に強いオケという性格を烙印。
1962年、スイス、ルガノにて逝去。享年67歳。

ちなみに1歳年上のカール・ベームは、それから20年近く活躍しました。

さて、クラシック音楽は、再現芸術なので、作曲家の書いた楽譜とレシピを指揮者がシェフとして料理するわけです。

同じ素材とレシピだからといって全く同じ味の料理が出来るわけではないのと同じで、同じ楽譜を使っても指揮者やオーケストラによって違う味わいが出来るのは当然です。

それを愉しむのがクラシック音楽の醍醐味でもあるわけです。

ハンス・ロスバウトの芸術

ロスバウトは、感性重視の世の中において論理性を重んじ、そこに私情を挟むのを否定した人のようです。

例えば、ニュースを報道するアナウンサーやキャスターが、事実を事細かに正確に伝えればいい事なのに、そこに自分の感情である喜怒哀楽を伝えるとしらける場合があります。

感情は、その事実を伝えられて知った受け手側がそれぞれ感じることであって、伝える側が押し付けることではないのです。

今回、ロスバウトの演奏を聴いて、まさにそんな心意気を感じました。

ロスバウトのハイドンの交響曲は、精緻で古典的明晰さを湛えた造形美の最高傑作です。

一糸乱れぬアンサンブル、テンポの動きはほとんどなく、アレグロはアレグロ、アダージョはで演奏され、告別の名称の由来となった終楽章でもテンポが、プレストからアダージョに変わり少しずつ奏者が少なくなり、最後ヴァイオリンソロで終わるのですが、これが淡々を演奏され、その寂しさが余計伝わってきます。

ロスバウトの録音は、その他ブルックナーやマーラーも遺されていてハイドンを聴いてより聴きたくなりました。

次はぜひブルックナーのレビューをお届けしたいと思います。

ロスバウト ハイドン交響曲集より

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン - Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第45番 嬰ヘ短調 「告別」 Hob.I:45
Symphony No. 45 in F-Sharp Minor, Hob.I:45, "Farewell"

1.(04:19) I. Allegro assai
2.(07:20) II. Adagio
3.(04:32) III. Menuet: Allegretto
4.(08:32) IV. Finale: Presto - Adagio
total(26:40)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 - Berlin Philharmonic Orchestra
ハンス・ロスバウト - Hans Rosbaud (指揮)
録音: 15-19 November 1958, Gemeindehaus, Evangelisches, Berlin-Zehlendorf, Germany
※唯一のステレオ録音

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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン - Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99
Symphony No. 99 in E-Flat Major, Hob.I:99

5.(06:23) I. Adagio - Vivace assai
6.(06:28) II. Adagio
7.(06:03) III. Menuet: Allegretto
8.(04:12) IV. Finale: Vivace
total(23:06)

バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 - South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden
ハンス・ロスバウト - Hans Rosbaud (指揮)
録音: 19 June 1954, Studio des Sudwestfunks (Hans-Rosbaud-Studio), Baden-Baden, Germany

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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン - Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第100番 ト長調 「軍隊」 Hob.I:100
Symphony No. 100 in G Major, Hob.I:100, "Military"

9.(06:15) I. Adagio - Allegro
10.(06:07) II. Allegretto
11.(05:48) III. Menuet: Moderato
12.(04:42) IV. Finale: Presto
total(22:52)

バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 - South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden
ハンス・ロスバウト - Hans Rosbaud (指揮)
録音: 25 March 1953, Studio des Sudwestfunks (Hans-Rosbaud-Studio), Baden-Baden, Germany

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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン - Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99
Symphony No. 99 in E-Flat Major, Hob.I:99

5.(06:23) I. Adagio - Vivace assai
6.(06:28) II. Adagio
7.(06:03) III. Menuet: Allegretto
8.(04:12) IV. Finale: Vivace
total(23:06)

バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 - South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden
ハンス・ロスバウト - Hans Rosbaud (指揮)
録音: 19 June 1954, Studio des Sudwestfunks (Hans-Rosbaud-Studio), Baden-Baden, Germany


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2020年06月10日

メンデルスゾーン 交響曲第3番&第4番 沼尻&日本センチュリー響

こんにちは
ともやんです。

メンデルスゾーン(1809-1847)というと良家のお坊ちゃま的な作曲家を思われて、バッハからベートーヴェンに続くドイツの作曲家に比べて、低く見られる傾向があります。

ベートーヴェンを巨星とすれば、メンデルスゾーンはそれには敵わないとしても唯一無二の輝きを放つ星であることは確かです。

僕は、年齢を重ねるごとにメンデルスゾーンが好きになってきました。この人の曲には、音楽に対する深い愛情と敬意、そしてそこにお洒落で格調高いセンスに溢れています。

それはベートーヴェンの曲からはあまり感じないものです。

だから僕は、メンデルスゾーンの演奏には多少うるさいのですが、ここにまさにメンデルスゾーンの化身ともいえる演奏に出会いました。

沼尻竜典&日本センチュリー交響楽団のメンデルスゾーン

まず、簡単に沼尻竜典と日本センチュリー交響楽団のプロフィール。

沼尻竜典は、1964年、東京生まれの指揮者/ピアニスト。桐朋学園大学で、指揮を小澤征爾、秋山和慶、作曲を三善晃、ピアノを徳丸聡子らに師事。在学中から小澤征爾のアシスタントを務める。また、鍵盤楽器奏者として多くの演奏会にも出演。1989年からベルリン国立芸術大学でハンス=マルティン・ラーヴェンシュタインに師事。1990年、ブザンソン国際コンクールで優勝。以来、ヨーロッパの主要なオーケストラに客演し好評を得た。オペラから現代音楽まで、その的確な解釈には定評がある。※2014年5月22日付 CDジャーナルより

日本センチュリー交響楽団は、1989年に始動した大阪府豊中市を本拠とするオーケストラ。90年に大阪府音楽団を発展的解消させる形で、大阪センチュリー交響楽団として設立。2011年4月より現名称となる。“優れた演奏により地域の力を発信”“オーケストラによる感動と癒しを提供”“優れた才能を発掘し次世代の育成に寄与”“国際相互理解や平和に積極的に貢献”の理念のもと、新時代のオーケストラとして発展を目指す。2014年、飯森範親が首席指揮者に、アラン・ブリバエフが首席客演指揮者に就任。定期演奏会やアンサンブル活動、体感コンサートなどの演奏会や地域社会活動ほか多彩なプログラムを推進。2015年は“ハイドンマラソン”の始動ほか多彩な企画を精力的に展開。※2015年10月7日付 CDジャーナルより


沼尻竜典は、今年で、56歳なのですっかりベテランの指揮者で、これから巨匠の道を歩む人だと思います。
そして、桐朋学園出身で、小澤征爾、秋山和慶に師事し、ブザンソン国際コンクールで優勝と経歴を見ても、その演奏の方向性もなんとなく感じます。

つまり正攻法なアプローチで、センス溢れる流麗でバネの効いた躍動感のある演奏かなと思いましたが、まさにそんな演奏でした。

マニアックな評論家には、そんなアプローチを批判する人もいます。しかし、僕は大好きです。
いちいち命を賭けたり、切れば血が出るような演奏ばかりしていたらいくら体があってももちません。

評論家の宇野功芳氏は、その著書の中で、音楽が人を感動させる2つの要素は、情熱と悲しみだという意味のことを書かれています。

つまり陰と陽、動と静というように二律背反するものが組み合わさらないと聴く人を感動させられないという意味だとらえています。
それはクラシック音楽だけに留まらず、ジャズ、南米音楽、ロック、歌謡曲など全ての音楽に共通することだと思います。
明るいだけでも悲しいだけでも人は感動しないのです。

明るい中にふと垣間見える暗い影、悲しい中にかすかに見える明るい光、それらが合わさって音楽は人々を感動させるのだと思います。

そういう観点からみるとメンデルスゾーンの曲は、人々の心の琴線に触れるものです。

沼尻竜典&日本センチュリー響の演奏は、そんなメンデルスゾーンを正攻法なアプローチでまっすぐ聴く人に届けてくれます。
いらんことを何もしないでまっすぐなアプローチで、清々しい素晴らしい演奏の録音です。

メンデルスゾーンの名盤 沼尻竜典&日本センチュリー響

フェリックス・メンデルスゾーン - Felix Mendelssohn (1809-1847)
交響曲第4番 イ長調 「イタリア」 Op. 90
Symphony No. 4 in A Major, Op. 90, MWV N16, "Italian"

1.(10:40) I. Allegro vivace
2.(06:21) II. Andante con moto
3.(06:42) III. Con moto moderato
4.(05:53) IV. Saltarello: Presto
total(29:36)

日本センチュリー交響楽団 - Japan Century Symphony Orchestra
沼尻竜典 - Ryusuke Numajiri (指揮)
録音: Biwako Hall Center for the Performing Arts, Shiga, Japan
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 2012年8月10、12日

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フェリックス・メンデルスゾーン - Felix Mendelssohn (1809-1847)
交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」 Op. 56
Symphony No. 3 in A Minor, Op. 56, MWV N19, "Scottish"

5.(16:21) I. Andante con moto -
6.(04:25) II. Vivace non troppo
7.(10:09) III. Adagio
8.(10:04) IV. Allegro vivacissimo -
total(40:59)

日本センチュリー交響楽団 - Japan Century Symphony Orchestra
沼尻竜典 - Ryusuke Numajiri (指揮)
録音: Biwako Hall Center for the Performing Arts, Shiga, Japan
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 2013年8月10、11日


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2020年06月08日

ルロイ・アンダーソン 管弦楽作品集4 おすすめ

こんにちは
ともやんです。

ルロイ・アンダーソン(1908-1975)は、僕の大好きな作曲家です。
1908年生まれということは、カラヤンや朝比奈隆と同い年。

アンダーソンの曲を聴いているといつしか心が和み、知らない間に微笑んでている自分を発見します。

アンダーソンの経歴をたどると異色の音楽家だということがわかります。

ルロイ・アンダーソン アメリカ軽音楽の巨匠


スウェーデン移民の両親のもと、マサチューセッツ州ケンブリッジに生まれました。

教会オルガニストを務める母親からピアノの手ほどきを受けました。父親は郵便局員でしたが音楽好きだったそうです。

彼の曲の最大の特徴は、品格のあるユーモアのセンスに溢れていることで、優しく愛情にあふれた両親のもとで育まれたものと思います。
まあ、優しく愛情に溢れた両親というのは、僕の勝手な想像ですが、少なくても逆のタイプの両親からはまず生まれないだろうとは思います。

さて、アンダーソンは、名門ハーバード大学で言語学を学び、卒業後は、大学で研究員として言語学の研究を続け、博士号も取っています。

転機は、30歳の時にボストン交響楽団のマネージャーの依頼でハーバード大学の学生歌を編曲したところ指揮者のアーサー・フィードラーの目に止まり、自作を書くように勧められたことからです。

ただ、第二次世界大戦、続く朝鮮戦争時は、軍隊に属し、言語学の能力を見込まれペンダゴンなどで働きました。

1946年の除隊後、音楽活動に戻り、最初のヒット曲『シンコペイテッド・クロック』を作り、ゴールドディスク賞を獲得。50年代は、スタジオ・オーケストラの指揮者も務め、商業的に成功を収めました。

また彼の作った曲は、アーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップス・オーケストラによって紹介され、広く人々に親しまれました。

映画音楽の大家ジョン・ウィリアムズは、彼のことを『アメリカ軽音楽の巨匠』と称しています。また、吹奏楽をやって事のある人は、どこかで彼の曲を演奏しているかもしれません。

アンダーソンの曲には、日用品のタイプライターなどを楽器と使用する冗談音楽の側面もあります。

真面目に書いた曲とそれに不似合いが道具を使って、下手をすると単なるパロディに陥るような曲でも、精緻に丹念に書かれているので、品格が保たれ、自然なウィットやペーソスが引き出されています。

さて、CDは、名指揮者スラットキンの丁寧な心こもった演奏が素敵です。

スラットキンは、1944年生まれのアメリカの名指揮者。

アンダーソンの曲は、BBCコンサート・オーケストラと管弦楽作品集1から録音を続け、ライフワークにしています。

スラットキンは、コープランド、バーバー、バーンスタイン、J・ウィリアムズなど、20世紀のアメリカ作曲家の作品を積極的に取り上げ、世に紹介しています。

ルロイ・アンダーソン 管弦楽作品集4 by スラットキン

【曲目】
1-6.アイルランド組曲
7.マクダウェル:荒れ野のバラ(アンダーソン編)
8.夏の空
9-12.スコットランド組曲
13.ブルー・タンゴ
14.忘れられた夢(ロバート・ウェンデル編)
15.舞踏会の美女
16-19.わが母校
20.クリスマス・フェスティヴァル
7・・・世界初録音
9-12・・・組曲として世界初録音
13-15・・・歌付きヴァージョン世界初録音

【演奏】
キム・クリスウェル(ソプラノ)・・・13-15
ウィリアム・ダズリー(バリトン)・・・15
BBCコンサート・オーケストラ
レナード・スラットキン(指揮)


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posted by ともやん at 07:30| Comment(0) | クラシック名盤 名演奏100 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする